それはとっても難しいなって
★ TIPS=制作裏話のような ★
出来る限り折れないよう、痛まないように頑張ってますが
それでも折れていた場合は、目をつぶってやってください……。
表紙にするっていうのがそもそも無茶企画だったのです。
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表紙をレーザーカットで作りたいです。
レースのように可愛い感じで。
それを聞いた緑陽社の鈴木さんは、最初意味が判らなかったようで
サンプルとして持ち込んだグリーティングカードを見て言葉を失ってました。
流石にすぐに気を取り直し、ぱっと思いつく問題点を提議。
・B5サイズのような大判をレーザーカット加工できるのか。
・大量生産可能なのか
・というか出来ても製本できるの?
トムソン加工に変更するとか、
表紙をやめて中に綴じこむとか、
銅版でも似たようことできますよとか、提案がありましたが
トムソンはミリ単位の繊細な切り抜きが出来ないし、銅版は無骨だし、
表紙の方が可愛いので表紙でお願いしますと無茶ぶり。
打ち合わせで、みんなでうんうん唸った結果
PPカバーを掛けて保護をして
折れそうで危ない外枠部分をフォトフレームのような太い枠にすればなんとか……
とにかくカットさえ出来れば、あとは製本のプロのこちらで考えますという力強い言葉を頂き
早速デザインしてみました。
フォトフレームのような太枠という言葉をすっかり忘れています……
でも、ものは試しと制作依頼してみました。
できました。
本当に繊細な線が綺麗に切り抜かれています。
外枠太いように見えますが、製本の段階で上下5ミリカットされるので
実際の太さは5ミリ以下。
いくらなんでも細すぎです。
左側の余白レースはカバーのように巻き込んだら製本しやすいかなと思って作ってみました。
さらに製本が難しくなるのでやめて下さいと却下されました。
ためしに表紙の刷りだしの上に重ねてみました。
とてもいい感じですが、白のドレスの上に白のレースなので目立たない。
本番は黒に変更しました。
白のレースデザインは捨てがたいので通常版(レーザーカット無し、ニス塗り)に活かすことに。
慎重に扱っていたのですが、早速折れが……。
これにはかなり凹みました。
これは裏側。淵に茶色の焦げ目が見えます。
細かいデザインなのでしっかり切り抜くためにレーザーの出力を上げると
焼きすぎて線が更に細くなってしまうという悪循環。
こちらが最終稿です。
枠を太くして、折れそうな箇所は線を繋いで補強しています。
レーザーカットは
走らせたレーザーの照射距離、照射時間によって値段が決まります。
1枚からでも加工可能です。